長唄について

杵屋勝桃生三味線教室

2018年02月11日 02:21

長唄のお稽古をしていると言うと、”長唄って、小唄とか端唄の一種?” とか、”何を言っているのか意味が分からない” ”難しそう”などなど言われます。昔は私自身も、三味線音楽が多種あることも知りませんでしたし、唄といっても、名前のごとく一曲の時間が長いので、一般的な歌の概念とは異なります。
長唄は、上方(現在の京阪)地唄の根源をもち、江戸時代に歌舞伎の伴奏として生まれた舞台音楽が始まりです。時代を経て、歌舞伎などの劇場を離れ、舞台以外でも演奏されるようになりました。歌舞伎のセリフのない場面に演奏する曲、舞踊の伴奏曲、など多様です。長唄の曲を聴く際は、歌詞を読んだり、調べながら聞くと、その情景や物語り、登場人物の様子などが理解でき、時代感のある言葉で表現された歌詞を楽しむ鑑賞が出来ます。そして三味線は弾くのも、聞くのも、曲中の合い方と呼ばれる合奏の鮮やかさが際立ちます。この合奏の部分には曲により、主旋律の本手と副旋律の替手があり、きれいに揃うと本当に楽しいものです。一曲の長唄の中には、地唄、謡曲、民謡などの要素の部分であったり、日本の四季や自然、動物、鳥、昆虫の鳴き声を三味線の旋律で表してあったりと、れぞれの魅力を表現する楽しさと、奥深さを感じることができます。長唄って、結構欲張りで贅沢だなって思うことがあります。

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